なんやこれ

ポケモン以外のことを書きます。

はじめてのFF

基本的に狭く深くなタイプなので、有名どころのゲームも触れたことのないものが多かったのだが、
せっかく日本に生まれてゲーマーの知り合いに囲まれて過ごしてきたので、
教養という意味でもいろいろと手を広げていきたいという思いがあった。
そこで、シリーズとして全くプレイしたことのないFFシリーズをやってみることにした。

 

 

プレイするタイトルの選択

初めての人がやるなら何がよいかなど軽く調べて、結果5と9をチョイス。
調べた限りでは、システムが魅力の5とシナリオが魅力の9という感じで、補完もよさそう。
ちなみにプレイしたことはないがこの2作品は他人がプレイしているのを見たことがあり、
FF5は学園祭でのReTA(リカバリタイムアタック)を観戦、
FF9はFFシリーズ連続RTAのスタッフの手伝いとして現場で観戦したことがある。
当然未プレイの状態でいきなりタイムアタックを見るわけなので、
当時は「ほぇ~」という感じで眺めていたのだが、
それでも何となく記憶に残っているところもあったので、
候補を絞った中で多少なりとも馴染みのあるこの2作品を選んだ。

tga.squares.net

tga.squares.net
(2011年とか2013年とか書いてあって恐怖。10年前……?)

そうは言っても予備知識は皆無で、
「ターン制の戦闘ではなく時間経過でゲージがたまっていってたまったらすごい勢いでコマンド入力するゲーム」という程度しか知らなかった。魔法の名前と効果も一致せず、レイズ?ヘイスト?くらいの状態。戦闘から逃げられることも中盤くらいまで分からず。

その割に、バル城地下の狭くて青みがかったフィールドに見覚えがあったり、オメガ前のセーブポイントに見覚えがあったり、ブルメシアでダッシュするとゲルミナスブーツを取れないことを知っていたり、デスゲイズの開幕メテオに既視感があったりと、変なところに予備知識がある状態であった。

FF5

というわけでFFシリーズ初プレイには、シリーズ内でも屈指の育成、戦闘システムを誇るらしい(事前情報)5を選択した。
ちなみに予備知識としては、ReTAの観戦を除くと、ネオエクスデス(宇宙の法則が乱れる)の存在くらい。ビッグブリッヂの死闘は曲自体は知っていたがFFの曲ということまでは知らなかった。
29年前のゲーム(え?)ではあるが、RPGは2Dの方がやりやすい派なので、気にはならなかった。
システム重視でシナリオはあっさり目という前評判ではあったが、別にそこまで気にはならなかった。あえて気になったところを挙げるなら、紆余曲折感がなかったり、味方陣営で関わったキャラがほぼ漏れなく死んでいったり、操作可能キャラがとって付けたかのように昔の戦いの関係者でいい血筋の人たちだったりといったところくらい。結構気になるな。

初見ということで何も調べないで進めていたが、ジョブとアビリティのシステムがあまりにも分からなかったため途中で概要だけ調べた。別ジョブのアビリティを付けられるというのがピンと来なかったので、例えば格闘のアビリティ説明(素手の威力がモンクと同じになる)とか意味不明だった。モンクと同じも何もお前モンクやんけっていう。
調べる過程で、忍者が最強格でシーフが便利なジョブであることも目に入ってしまったが、実際その通りだった。最初から最後まで雷迅の術があまりにも強かったという印象。

シナリオはごくごく普通に進めて、4人ともレベル30台くらいでクリア。全うに力押しで進めていたが、ライブラで相手の弱点が分かるということに途中に気付いて、そこからは属性くらいは意識して進めることができた。状態異常耐性まで出してくれればよりよかったのだが、そもそも補助魔法や状態異常について何も知らない状態なので、そんな発想はない。
苦戦したボスキャラを思い出すと、リクルドフレイム、クリスタル、エクスデス(城)、ネオエクスデスあたり。こうして見るとゴリ押しの限界を感じる。アルマゲストで一生全滅させられるネオエクスデスに一番苦労したが、英雄の薬などで強化して銭投げやバハムートでゴリ押してなんとかした。

クリア後は調べ物を解禁し、オメガと神龍まで倒して一段落。みだれうち考えたやつどうかしてる、多分メガガルーラ考えたやつの親戚。

調べてから分かったことだが、ボスの多くには明確な弱点が設定されており、普通に進めて倒すのと穴を突いて倒すのと両方が可能なバランス設定となっている。両方というのが重要で、前者だけだと単調で、後者だけだと調べる前提の初見に優しくないゲームになってしまうので、評判通りのよくできたゲームだなと感じた。ラスボス4部位のうち2体は即死させられるなんて考えもしなかった。

悪かった点としては、いかんせん知識がないので、魔法や装備アイテムの効果を確認するすべがないのがキツかった。ゲーム中の会話などで効果に気付けないと、単純に数値の高い装備品を付けていくしかやりようがないのが困った。せっかくいろいろなアイテムがあるのに、大半はアイテム欄で邪魔になってしまうだけだった。

初見ということもありまともに使いこなせるはずがなさそうだと判断し青魔法も調合も捕らえる/放つも使うことなく進めていたため、FF5の魅力の10分の1も感じられていないんだろうなとは思う。FF5に対して「懐の深いゲーム」という表現を見たことがあるが、そういった奥深さをもう少し感じてみたい。使うジョブを変えてもう何周かやってみようと思う。


FF9

ストーリーはさすがに満足。ビビ、ガーネット、そしてジタンの出自が明らかになっていき自然に本筋に絡んでいく。ファンタジー感溢れる世界観でありながら終始暗いストーリー展開で、それでもそれぞれが立ち直っていく様子がよかった。最後はハッピーエンド感がありながら、ビビの最期が示唆される物悲しさもある。
スタイナーとベアトリクスがイチャつき始めたのが急展開すぎて釈然としなかったが、まあ気にしないことにした。

システム面では、至るところで触れられているように、テンポの悪さは強く感じた。リマスター版であるにもかかわらずエンカウント直後の暗転時間が非常に長く、移植時にあえて改善せずそのままにしたのかとさえ思えるほどであった。(どうやらこれでもマシになっているらしい。)
PS1最後のFFがこの9なわけだが、newでない3DSでとんでもないモッサリ動作を誇るポケモンサンムーンを思い出した。
あとは戦闘中に何度かエラーを吐いて落ちることがあった。連続して発生したこともあるので恐らく特定のフィールドやモンスターが処理負荷を上げていると思われる。20年前のゲームを最新ハードに移植したいうのに。

装備品とアビリティが紐づいているというのは面白いなと思った。何もないと当然数値や耐性、効果で装備品を選ぶはずなので、どう育成していくかというのに装備品を絡めたというのはシリーズとしても新しい試みだった。
後から知ったことだが、レベルアップ時のステータス上昇にも装備品の補正が関与しているらしい。これはよくないシステムだと感じた。後から取り返しが付かないし、これのせいでこだわるなら敢えて低レベルで留めて特定の装備品が手に入ってからようやくレベルを上げられるようになるという、不毛な作業を強いられる。そこまでしないにしても、レベルアップの瞬間だけ装備品を付け替えるのは手間。育成に自由度を持たせたいということで導入したのだろうが、プレイの不自由さを増しているだけだと感じた。

戦闘では、1.5倍補正を簡単に、しかも複数乗せやすいため、通常の打撃攻撃がひたすら強かった。パーティ構成や育成に自由度を持たせられるようなゲームデザインになっているが、結局普通に殴るのが一番であるのがもったいないと感じた。
そしてストーリー全体を通じて召喚獣にスポットが当てられているにもかかわらず、打撃攻撃に比べて打点不足な上に演出時間も長いため、戦闘では使い勝手が悪い。特にダガーエーコに比べて勝っている点が少なく、ヒロインであるにもかかわらず真っ先にパーティから抜けがちなのが悲しい。

あとはBGMが全体的によかった。戦闘曲全般、特に中ボス戦が一番お気に入り。中ボス戦はストーリーのチェックポイントであるため、ここを盛り上げられるというのは重要なことだと感じた。独りじゃないなんかも人気だが、ベアトリクスのシーンで流れるBGMも好き。

初見プレイでのクリアに加えて、もう一周してエクスカリバーⅡを獲得。これについては別の記事で書いていこうと思う。

f:id:dm1192:20210808213259j:plain


ジョブシステムの違い

FF5FF9はある種対極的なシステムで、キャラが固定で全キャラ全ジョブ選択可能な5と、キャラごとにジョブが固定でどのキャラを採用するか選ぶ9というようになっている。いい悪いがあるものではないのでもちろん単純な比較はできないが、あえて比較するなら以下のような点を感じた。

  • 現実味を考えると9の方に分がある。騎士系、魔導士系などある程度の範囲でジョブチェンジできるならまだしも、全キャラ全ジョブ変え放題というのはどういう設定なんだと思えてしまう。
  • アビリティの付け替えによって実質2,3つのジョブに同時になれるという組み合わせの自由度の高さは5方式の魅力である。ものまね師やすっぴんマスターを意識しないにしても、n個のジョブに対してn^2でバリエーションが増えていくので、ジョブが増えると組み合わせは加速度的に増えていく。
  • 5方式ではキャラが固定なので、パーティからあぶれるキャラもなく経験値格差は生まれにくい。9方式では外されがちなキャラはレベルも最低限のところで放置されてしまう。ただ、それゆえどのキャラにどれだけ経験値やAPを分配するかというやり繰りが生まれ、一つのゲーム性となる。先述の通り、意識的に採用しないと特にダガーは外されがちなのが悲しい。
  • FFではストーリー中に特定のキャラが一定期間離脱するということがあるが、全キャラ均等に育ちがちな5方式だと比較的ダメージが少ないのに対し、9方式で優先的に育てていたキャラに離脱されるとダメージが大きい。初見プレイでは予告なく離脱されるので、プレイヤーに優しくない。一方で、シナリオ中盤でジタンビビフライヤ組とダガースタイナー組に分かれて行動するなどのように、ストーリーを同時並行で進められて幅を持たせられるという利点はある。


低レベルクリアについて

5と9はFFシリーズの中でも特に低レベル攻略が盛んに行われているナンバリングである。中ボス戦で経験値が入らないという時点である程度意識して制作されているのではないかと思う。
低レベルクリアというと、その名の通り「低レベルでいかに相手を倒すか」というやり込みだと思っていたのだが、調べてみると「いかにして経験値が入るのを防ぐか」というポイントもあるのだと知った。なんなら後者の方が目から鱗な回避方法があったりと、やり込みポイントでもあり難所でもある。
例えば5ではビッグブリッヂでのプチチャリオット戦、9では各種黒魔導士戦での経験値回避がポイント。

自分でやってみようかとも思ったが、理論上は可能というものに対してひたすら試行回数を稼ぐというのがあまり好きでなく、また前者ではなく後者の難所に対して頑張る気力が起こらず、実現可能性と天秤にかけて戦略を選ぶという方が性に合っているので、その意味ではタイムアタックの方がやり込みとして自分の性に合っているのだと思う。


この調子で次はドラクエシリーズを履修していこうと思う。