長くなったので、構築編と立ち回り編に分ける。
■構築
1 x 無双竜機ボルバルザーク
1 x 無双恐皇ガラムタ
3 x 炎槍と水剣の裁
2 x ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン
1 x バザガジール・ドラゴン
2 x 地獄スクラッパー
4 x 幻緑の双月
4 x 青銅の鎧
1 x 鳴動するギガ・ホーン
1 x 緑神龍アーク・デラセルナ
4 x 母なる大地
2 x ディメンジョン・チョーカー
1 x ロスト・チャージャー
1 x スケルトン・バイス
2 x デーモン・ハンド
3 x ロスト・ソウル
2 x アクア・サーファー
4 x エナジー・ライト
1 x サイバー・ブレイン
[参考]
2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 計 | クリーチャー | 呪文 | |
水 | 0 | 4 | 1 | 0 | 5 | 0 | 0 | 10 | 2 | 8 |
闇 | 0 | 3 | 1 | 0 | 3 | 3 | 0 | 10 | 3 | 7 |
火 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 5 | 1 | 9 | 4 | 5 |
自 | 4 | 8 | 0 | 1 | 1 | 1 | 1 | 16 | 12 | 4 |
計 | 4 | 15 | 2 | 1 | 8 | 8 | 2 | 40 | 19 | 21 |
Sトリガー11枚(サイバーブレイン含む)
■概要
14弾環境においてスタンダードであった、水と闇が入ったタイプのコントロールにボルバルが入ったデッキ。水と自然でブーストしつつ闇で相手を妨害しながら、ボルバルを引くのを待ち、場に2体以上クリーチャーがいる比較的安全な状態でボルバルを出して〆ることを狙う。
この系統のデッキに入るボルバル以外のパワーカードとしては、ボルメテウス、裁、ロストソウルなどが挙げられ、どこに重点を置くかでデッキの方向性が変わってくるが、今回はボルメテウスを重視した編成とした。と言っても、それによって大きく形が変わるということはなく、数枚単位での調整である。
■個別解説
・1 x 無双竜機ボルバルザーク
制限カードなので、投入枚数は迷う余地がない。
デュエルマスターズについてよく知らなくても、「ボルバルザーク」というカード名を聞いたことのある方は多いかもしれない。その凶悪な点はいくらでも挙げられるが、最も驚異的なのはその突破力である。
そもそもデュエルマスターズというゲームは、5枚あるシールドを全て殴った上で直接攻撃をする必要があるので、基本的には計6回攻撃する必要がある。しかしボルバルは2ターンかけて単独で4枚ものシールドを割ることができるため、召喚酔いしていないクリーチャーが1体場にいる状態でボルバルを出すだけで、Sトリガーを引かなければ勝ててしまう。どんなに優勢な盤面でも、相手の場に1体のクリーチャーがいて7マナ溜まっているだけで常に即死の危険と隣り合わせなのである。もちろん場のクリーチャーが2体3体と増えるにしたがって勝率はどんどん上がっていくので、7マナ溜まったあたりから双方が相当な緊張感を持ってプレイする必要が出てきてしまうのである。(ボルバルに限らず通常のWブレイカーと普通のクリーチャーであっても、2ターンかければ殴り切ることは可能であるが、その場合は3枚の手札を与えた返しの相手ターンで反撃される可能性が高い。ボルバルはそのままエクストラターンに入るので、相手は増えた手札を使うこともできず、殴り返しやブロッカーのアンタップもできないので、反撃の手段がほぼSトリガーしかないのである。これがボルバルの突破力の原因である。)
また、本来デメリットであるはずの、エクストラターンで決められなかった場合に負けてしまうという効果も、ボルバルの悪質さに拍車をかけているという声も多い。構築には関係ない話なので多くは触れないが、こちらによくまとめられている。
《無双竜機ボルバルザーク》 - デュエルマスターズ Wiki
・1 x 無双恐皇ガラムタ
ビーストフォークのシンパシーでコストを軽減でき、攻撃時にSトリガーを封殺できる。
似たような効果を持つカーストーテムと異なり、ボルバルを出す前に立てておいても破壊されない。このため事前にガラムタを立てておけば、ボルバルを出して勝ちの可能性が大きく上がる。
ただし、エクストラターンに出してもSトリガーを封じることはできないので、運用は簡単ではない。Wブレイカーもなくパワーも高くないので、抜いてしまってもよいが、逆にもう1枚積むタイプもアリ。
地味ながら一番重要なのは、その色。序盤の要である自然を確保しながら、中盤のハンデスに必要な闇も確保できる。初手で来た場合には迷わずマナに置いてしまってよいだろう。
・3 x 炎槍と水剣の裁
パワー3000以下のクリーチャーを全て破壊し、破壊した数以下の任意の枚数ドローできる。
おかしなことしか書いていない。相手のクリーチャーを一体破壊するだけでも1枚得でき、2体破壊すれば3枚のアドバンテージ、それ以上破壊すればサイバーブレイン以上にドローできる、アドバンテージの塊といえるカードである。自分のクリーチャーも破壊されてしまうが、その分ドローできるのでそこまで損ではない。(何より、自分のクリーチャーも破壊してしまうことで、相手より先に裁を撃てれば、相手が裁を撃つ機会を一方的に潰せてしまう。)
とはいえ、狙い澄ましたかのように1コスト上にロストソウルが存在する。せっかく大量にドローしてもそのまま全部叩き落とされてしまう可能性があるので、引いたカードは残っているうちにどんどん使ってしまいたい。
・2 x ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン
相手のシールドを手札ではなく墓地送りにできるWブレイカー。
デュエルマスターズというゲームはその性質上、勝利条件を満たすために攻撃を重ねる度に相手はハンドアドバンテージを得てしまうので、攻撃のタイミングというのがゲームの大きなポイントの1つである。しかしボルメテウスはその効果によって、タイミングを気にせずとにかく殴るだけで勝利に近づいていくという特異な性質を持っている。特にこのタイプのデッキがミラーした場合は終盤ハンデスの撃ち合いで膠着状態になることが多いが、このような状況では相手のハンドアドバンテージを気にせず殴れるというのは非常に強力である。
1枚だけ刺すことが多いようには思うが、このようなミラーでの重要性を意識して、今回は2枚積んだ構築を紹介した。1枚だとシールドに落ちた途端に、攻めがボルバル頼みになってしまう。
・1 x バザガジール・ドラゴン
タップされていないクリーチャーを殴れて、ターン終了時に手札に戻る。スピードアタッカーのWブレイカー。
パワー8000より大きなクリーチャーは入りにくいので、毎ターン相手のクリーチャーを1体ずつ破壊できると思ってよい。ハンデスを引かない限りこの流れを妨害することはできず、せっかく立てたボルメテウスやガラムタ、デラセルナがどんどん破壊されていってしまう。
また、ボルバルのエクストラターンに出すことで追加のアタッカーになれる数少ないクリーチャーでもある。
・2 x 地獄スクラッパー
パワーの合計が5000以下になるように相手のクリーチャーを好きな数破壊できる。
火の定番Sトリガー。ミラーや対速攻で重要となる上、火マナが不足しがちなので、重めではあるが2枚。(スクラッパー、デーモンハンド、サーファーともに2積みと中途半端であるが、これは色バランスを考えてのことである。)
・4 x 幻緑の双月
場に出たとき手札から1マナブーストできる。
2ターン目からブーストできてビーストフォークを場に残すことができる。序盤の要と言える存在。これから次のターンスケルトンバイスやサイバーブレインにつなぐことができれば大きなアドバンテージを得られる。
・4 x 青銅の鎧
場に出たときデッキトップから1マナブーストできる。
幻緑より1マナ重いが、手札消費は緩やか。これもビーストフォークなので、ガラムタのシンパシーの種になれるのが偉い。
・1 x 鳴動するギガ・ホーン
場に出たときデッキからクリーチャーを一体サーチできる。
中盤から終盤にかけて、必要なカードをサーチできる潤滑油のようなカード。ボルバルやボルメテウス、バザガジールをサーチして終盤の攻めにつなげたり、デラセルナをサーチしてハンデスを牽制したりするのが主な使い方だろう。
なお、ギガホーンに限らず、「場にクリーチャーが残る」というのはこの環境において大きなメリットと小さくないデメリットを持っている。メリットは、まず攻撃に参加できること。先述の通り、場にクリーチャーが一体いるだけでボルバルで即死の可能性が出てくるため、相手にかかるプレッシャーが大きい。さらに母なる大地の種になれるため、ボルメテやバザガジールなどに化けられる。デメリットは、裁の的になってしまうこと。破壊される数が1体増えるごとに裁のアドバンテージは2枚分増えていくので、気を付けないとどんどん相手に得をされてしまう。
・1 x 緑神龍アーク・デラセルナ
相手ターンにハンデスで落とされると無償で場に出せる。
ミラーではハンデスの撃ち合いになるので、一矢報いることのできるこのカードは重要。2005年の公式大会で優勝したデッキはこのカードが勝負を決めたことは有名。
パワー6000なのでボルバルを出す前に立っていると破壊されてしまうことには注意。
・4 x 母なる大地
自分か相手のバトルゾーンのクリーチャーをマナゾーンのクリーチャーと入れ替える。
ボルバルに負けず劣らずぶっ壊れているカード。
デュエルマスターズというゲームは序盤に重めのカードをマナにおいて軽めのカードをプレイし、マナがたまってきた終盤に重いカードを使うというのが主な流れであるが、このカードがあれば序盤に埋めた重いクリーチャーを簡単に回収できる。どんなカードも3マナ(単色クリーチャーをマナに送れば実質2マナ)で場に出せるのもおかしな話で、ボルバルやボルメテウスなどを少ないコストで場に出すことができる。相手に撃てるのもこれまたおかしな話で、疑似的に除去として使うこともできる。(なお、相手の大地で除去されたクリーチャーを回収できるのも、また大地の強みである。)相手の場のクリーチャー数は変わらないものの、Sトリガーまで持つため、多少の防御札にもなりうる。
ということで、おかしなことしか書かれていない、歴代トップクラスの汎用性を持ったカード。唯一の欠点が序盤に引いても使いどころがないことだが、それくらいなので、当然の4積み。
・2 x ディメンジョン・チョーカー
場に出たとき、墓地の全てのドラゴンを手札に加える。
ハンデスで落ちたボルバルやボルメテウス、バザガジール、ガラムタを回収できる。
ギガホーン同様、クリーチャであるというのが大きい。(リバースチャージャーを入れるタイプもあったようだが、やはりクリーチャの利点を評価してこちらを優先した。)ボルメテウスを重視したデッキということで、2枚積んだ。
闇マナは不足しがちなので、序盤はマナに埋めて闇マナを確保しつつ終盤に大地で出すというのが基本の動き。
・1 x ロスト・チャージャー
自分または相手のデッキを見て、1枚墓地に送る。使用したこのカードは墓地でなくマナに送られる。
これまたおかしなことしか書かれていない。「裁かれない青銅」と書くとその異常さがわかる。歴代カードの中でもトップクラスに、何をどうやったらこんなカードが生まれてしまったのか本気で理解できないカード。
基本的には相手に撃って、トリガーの様子を察しながらマナブーストする。ミラーではボルバルを落とす動きをしたくなるが、チョーカーやリバースチャージャーに回収されてしまうので、これらのカードを見た場合は大地などの汎用札を落とすのがよいか。
一応、自分のデッキのボルバルを落として、チョーカーで回収する動きも可能。実質ギガホーンと同コストで同じ動きができる。
2枚ハンデスする。
シンプルに強い。終盤のロストソウルに対してはデラセルナで備える余裕もあるが、中盤のバイスに対してはその余裕がないことも多いので、主要カードを落として相手の展開を止めやすい。
・2 x デーモン・ハンド
相手のクリーチャーを一体破壊する。
闇の定番Sトリガー。手札から使っても、対処の難しいボルメテウスやガラムタを処理できる数少ないカード。
・3 x ロスト・ソウル
相手の手札を全て破壊する。
最強ハンデス。7コストと重いが、豊富なマナブーストとドローのおかげで、安定して6,7ターン目には撃てる。
特に裁に対する最強の返し札で、このカードを握っておけば相手に一方的に裁かれても十分立て直しが可能。
重いカードではあるが、ミラーでは撃ち合いになるので、3枚と多めに積んだ。
・2 x アクア・サーファー
場に出たときクリーチャーを一体手札に戻す。
水の定番Sトリガー。1体止めた上に場にクリーチャーが残るので、対ビートダウンで活きやすい。
・4 x エナジー・ライト
2枚ドローする。
基本的なドローカード。相手にスケルトンバイスを撃たれる前に、こちらのキーカードを落とされる可能性を下げたいので、4枚積んだ。多くの場合は3ターン目までに少なくとも幻緑か青銅かエナジーライトはプレイできるはず。
1 x サイバー・ブレイン
3枚ドローする。
説明不要のドローカード。
■枚数変更の余地のあるカード
・ガラムタ 1→0 or 2
減らしても増やしてもよい。
・ボルメテウス 2→1
さすがに重いので、1積みでも十分かとは思う。
・ギガホーン 1→2
中盤から終盤にかけて柔軟な動きが可能になるので、増やしてもよいだろう。
・デラセルナ 1→2 or 3
ミラーはハンデスの撃ち合いなので、多めに積んでおくのもアリ。3はやややりすぎかもしれない。
・チョーカー 2→1
ギガホーンや大地があるので、1枚で充分という考え方もできる。ただし闇カードの枚数バランスには注意。
・サーファー 2→3
やや守りが薄いと感じたら1枚くらい増やしてもよいか。速攻を意識すると、Sトリガーを増やすとしたら、デーモンハンドよりはスクラッパーかサーファーだろう。
・エナジーライト 4→3
幻緑青銅エナジーライト全て4積みだとやや序盤の動きが過剰な気もするので、中盤から終盤を厚くみるなら1枚抜いてもよいか。
■他に投入を検討してもよいカード
ABCDの4段階評価で挙げていく。
A:十分アリ
B:入れてもよいか
C:検討くらいはしてもよいか
D:半分冗談
・紅神龍ジャガルザー:A
このカードが入ったレシピもそこそこ見かける。が、ボルバル前に出せないのがやはり致命的で、大地を絡めて同時に出すかエクストラターンに出すかしなければならない。実質スピードアタッカーWブレイカーとして使うにしても、バザガジールを1枚増やした方がマシだと思う。
使うなら、ボルバルと絡めるのではなく、ボルメテウスやガラムタと絡めるのがよいか。
・コーライル:A
ミラーでボルメテウスやガラムタを除去できると大きなアドバンテージだが、中盤はこのカードで妨害するくらいなら裁やロストソウルを振り回したいと感じる。
・トリプル・ブレイン:A
エナジーライトとの枚数調整が難しい。序盤を重視したエナジーライトと、ロストソウル後の回復を重視したトリプルブレイン。個人的には、ロストソウル後の回復として見るにしても、引いたカードをそのまま使いやすい低コストなエナジーライトを重視してこのような枚数配分となった。
・エメラル:A
ミラー含めた防御力向上、序盤に引いたSトリガーの有効活用、そしてクリーチャーが残る。ギガホーンでボルバルがシールドに埋まっていることが分かった場合、最悪2割以上の確率で回収できる。
・ストーム・クロウラー:A
マナ回収。基本的には大地がマナ回収カードなのだが、呪文は回収できないため、これでマナの大地を回収してそのまま撃つ動きなど分かりやすい。
このサイズのブロッカーというのも貴重で、ガラムタまで止められる。
裁かれないクリーチャーが残るのも嬉しいが、殴れないというのはこのデッキではそれなりなデメリット。また、効果が強制なので、ブロッカーとして中盤とりあえず出しておきたい場面では効果がマイナス。またマナに埋めておいたところを相手の大地で出されてもテンポが悪くなる。
・腐敗勇気ガレック:A
入っている構築も多い。効果もさることながら、色バランスがよく、不足しがちな火と闇を補ってくれる。
例によってクリーチャーが残るのが嬉しい。ブロッカー除去も、相手によっては結構嬉しい効果。
・フェアリー・ライフ:B
よりブーストを意識する場合に。対速攻では、Sトリガー持ちであるというのも大きい。幻緑に比べて手札消費は穏やかに2ターン目でブーストできるが、クリーチャーが残らないのでさすがに幻緑優先か。そしてこれ以上ブーストを増やしても過剰な気はする。
・呪紋の化身:B
ジャガルザーに対して、ボルバルと絡めるなら大地を使うかエクストラターンに出すしかないと書いたが、それならこのカードでよいと思う。
・クリスタルメモリー:B
ギガホーンより強力なサーチだが、やはりクリーチャが残るという意味でギガホーンを優先したい。ただ、大地を持ってこれるので、これはこれで充分アリ。
・停滞の影タイム・トリッパー:B
後攻を引いてしまった場合でも疑似的に先攻を取ったかのように立ち回れる一枚。悪くはないのだが、唯一にして最大のデメリットは裁の的になってしまうこと。この後挙げるカードもそうだが、裁の存在によって、終盤まで立っていてほしい小型システムクリーチャーが軒並み否定されてしまうのが害悪。
・エマージェンシー・タイフーン:B
序盤のアクション候補。思い切ってデラセルナを3枚くらい積むのであれば、ビートダウン相手に対して大きな切り返しとなるので、その場合はアリか。そうでないなら、結局手札の枚数は変わらない上に墓地利用ギミックも少ないので、エナジーライト優先か。
・コッコ・ルピア:C
早々にボルバルやボルメテウス、バザガジールが立つのは意外と厄介。が、トリッパー同様裁かれてしまうのが問題。
・調和と繁栄の罠:C
トップクラスの防御札で、ボルバル相手に1ターン目に引ければ、火か自然を指定してほぼ勝ち。が、色が合わない。
・レインボー・ストーン:D
神秘の宝箱ではボルバルをサーチできないので、やろうと思ったらこれしかない。大地につなげたい。
・崩壊の影デス・タギア:D
相手が呪文を唱えたときに、相手は手札を1枚選んで捨てて、マナも1枚選んで捨てる。
呪文を多用するミラーに刺さりそうだが、これまた裁かれる。しかも5マナと重い。
次回は立ち回り編。